《自分自身》と繋がるワーク【久瑠あさ美メンタルトレーニング】第7回#1講評
自分自身の【過去】に向き合う葛藤
■理想を現実に変えてゆくマインド
久瑠:人間は顕在意識では、分からない、驀然してるものに対して絶対手を出さないんです。
鈴木:えっ、そうなんですかー(僕はなんにでも手をだしちゃうけどな)。
久瑠:「未来役に立てたいこと」を100個書くワークでは、甲斐荘さんははじめのうちは頑張ってなんとか未来、未来と探しながら、書き出していくのだけれど、結果がすごくぼんやりとして「これは自分じゃない」という感じになっていったんじゃないでしょうか。
はじめのほうに書いていることは、全然「未来のこと」っぽくない。なぜかというと、ちゃんとしようとすればするほど、全部【過去の自分】に起点していることが思い浮かぶからです。つまり「自分が知っている自分の内側」で未来を探しているだけです。それは未来ではない。「これまでの記憶の塗り替え」をしてるだけなんですね。
甲斐荘:なるほど、確かに「未来」という言葉で最初のうちは探してしまって、そのうち全く出てこなくなりました。
久瑠:そのやり方では新しいものが何にも生み出されてないので、未来なのにも関わらず、全然クリエイティビティが無い。だから自分自身も乗っていけないんです。
甲斐荘:うん、うん、うん。(返す言葉もございません)
久瑠:これは、これまでワークショップに参加してきた塾生も多く経験してきたブロックでもあって、誰もが無自覚ですがよくあることなんです。
甲斐荘:(あぁ、そうなのかぁ。よかった~)
久瑠:これは、言われたことをきちっとこなす「真っ当な脳」の落とし穴なんですよ。
甲斐荘さんのワークシートでは、最初の10個までは「これまでの自己イメージ」の延長線上にある、妄想的といってもいい未来像が出てきています。
「想像」と「妄想」という言葉を使い分けると、「妄想」は過去の何らかの経験から来るものなので、「どこか嘘くさい」「なんか宙に浮いてるなあ」という印象を受ける。つまり「自分の核」と繋がってない。それは世間のどこかで言われてることや、自分じゃない何かがなんとなく仕向けているような、望まれている模範的な理想を並べ立ててしまったといいう感じではないでしょうか。
甲斐荘:まさにその通りです(ええ、ええ。いかにも優等生的ですよね)
久瑠:言い換えると、「やりたいこと」ではなくて「やらなきゃいけないこと」を書いてしまっている。そういう「やらなきゃいけないこと」を「未来」に持ってくるとは、「現実を軸足に未来を向く」ということです。
いまの現実をつくりだした「これまでの自分」、すなわち過去を起点になんとか未来を絞り出したということで‥‥これ自体がネガティブなんです。
甲斐荘:(ええー、現実に軸足を置いて前向きに取り組んでいるつもりなのに、ダメなんですね?! 難しいなあ)
久瑠:未来を思い描く際の理想は、グワァーって想像が回って、「おーい、帰ってこーい」ってなるくらいその世界に浸ってしまう。想像の中にしか生きられない状態になることです。
これはある意味「未来を思い描いちゃう病」みたいなものですから、真っ当な社会人脳においては、なりたくてもそうはなれませんね。
甲斐荘:(ああー、苦手な奴です……)
久瑠: 「何か感じる世界と繋がりたい」のは決してアーティストだけではなく、アスリートでも同じです。よくサッカー選手がゴールを決めた瞬間に空を見上げて祈るポーズをしますが、あれは「自分ではない力を天が授けてくれた!」というような感覚で自らのパフォーマンス、つまり「潜在能力に感謝する」という意味合いです。彼らはその瞬間を待ち望んでいて、そのための練習を日々修行のように精進しているんですね。
甲斐荘:アスリートが限界に挑戦し続け、「奇跡のようなプレー」を願い祈るのは、そういう感覚なんですね。
久瑠:アスリートも、私たちと同じ人間です。自らの力には限界がある。
しかしその向こうには潜在能力というとんでもない力があって、それを活用するために何ができるかを日々模索している。だから本番でゴールを決められるんです。
ですから私達の日常でも同じように、「できっこない」という諦めの前で屈しない、理想を現実にかえていくマインドを持ち続けることができるかどうかにかかっています。
そのために必要なマインドの体質……「未来」「明日」と思った時に、「フワアァァ」とどんどん想像が浮かんでくるマインドの体質に持っていくことは、トレーニングで絶対できるんです。
【未来】のワークを見ていくと、甲斐荘さんは実際にそれができてますよ。そこに近付いていこうとしている、その葛藤もチャレンジもちゃんと見えてます。
まとめ:「真っ当な脳」だから未来を思い描くのが苦手。でもトレーニングを通じてマインドの体質は改善できています! (次は)【未来】が溢れてくるマインドポジション
久瑠:そして何より、甲斐荘さんの【未来】のワークの最後には、「自分が実現したい未来」「志」みたいな話になっていった。まだできてない、とっかかりも見えないけれど、「それをやっていきたい」っていう理想がしっかり表に出てきましたね。
自分の正義、自分を熱くするもの、人生を通して何をしたいことの、さらに先にあるもの……私はそれを「ヒーロー感」と呼んでいます。そのヒーロー感を体感として掴み取るんです。
そうすると自分の中から「未来」の希望が無限に出てくる。そして自分に対する期待値が上がる。ひとつたりとも間違いは無くなるんです。
自分が120%向き合って出した結論なら、失敗しても後悔は絶対に生まれない。ひとつ間違いが見えても、また次のものが湧き起こってきます。「次はこれをやってみよう、次はこれをやってみよう」とチャレンジが続いていく。
「潜在的な自分」に出会うことに対して、「しくじる自分を見るのが怖い」といったネガティブな向き合い方ではなく、「まだ見ぬ自分に出会う」ことへの喜びが生まれる。それがたとえそれが逆境の場面であろうとも、です。これが真のポジティブという在り方です。
何より、そうしてマインドポジションが高まっている時は、「できなかったらどうしよう……」といった不安や迷いは払拭されるので、無理することなく楽にできてしまう。それが人間の潜在能力というとんでもない力なんです。
甲斐荘:「なんとか頑張って」とか「無理にやらされてしまう」という感覚を持つことが、正直なところよくあります。その感覚こそが、潜在能力を活用できていない、潜在能力と繋がっていないってことなんですね。潜在能力は、まったく桁違いにスケールが違うんですね(そうなりたいです!)
〇感情の記憶が動くことで自分の人生と向き合う 〇ワークを通じて、これまでの自分に出会い直す 〇過去に縛られず、自分とつながって未来を描く 〇体感と繋がれば、失敗しても後悔はなくなる